社外CFOの費用を調べると、金額の幅の広さに戸惑うと思います。月5万円と書いてある会社もあれば、月100万円と書いてある会社もある。同じ「社外CFO」という名前なのに、20倍の開きがあります。
社外CFOの費用相場は、月5万円から100万円超まで
複数の情報サイトが公開している相場情報を整理すると、費用はおおむね次の3つに分かれます。
| 稼働の形 | 月額の目安 | 主にやること |
|---|---|---|
| スポット型(月1〜2回) | 5万〜15万円 | 財務の相談、月次の数字の確認 |
| 伴走型(月数回) | 15万〜40万円 | 月次レポート、経営会議への同席 |
| 本格関与型(週1日以上) | 40万〜100万円超 | 資金調達、M&Aなど重大局面まで踏み込む |
時間単位の業務委託であれば1時間2万円前後、というレンジも示されています(Anycrew)。
ここまでは、どのサイトを見てもだいたい同じことが書いてあります。問題は、この表を見ても「では自社はどれを選べばいいのか」が分からないことです。
「月何回来るか」で選ぶと、たいてい外れる
相場表は稼働の頻度で分かれています。月1回なら安い、週1回なら高い。分かりやすい整理です。
ただ、この軸で選ぶと、社長は「同じ金額なら多く来てくれる方がいい」という比べ方をすることになります。そして実際に契約すると、来る回数は多いのに、決められないまま数ヶ月が過ぎるということが起こります。
理由は単純で、社外CFOの価値は滞在時間から生まれていないからです。
月1回2時間の訪問で、社長が3年悩んでいた設備投資の判断が決まることがあります。逆に週1回通っても、資料の説明で終わって何も決まらないことがあります。差を作っているのは時間ではありません。
金額差は「一緒に背負う判断の重さ」で決まる
社外CFOの金額差は、その人がどこまでの意思決定を一緒に背負うかで決まります。3つの段階に分けると分かりやすくなります。
第1段階:数字を、判断できる形にする
月次試算表は出ている。でも、そこから何を決めればいいのかが分からない。この状態を解くのが最初の段階です。
- 試算表を、経営判断に使える形に組み替える
- 資金繰り予測を先の月まで伸ばす
- 経営会議に出て、数字の意味を共通言語にする
ここで扱うのは過去と現在の数字です。相場でいえば、スポット型から伴走型のレンジに当たります。
第2段階:数字と人を、同じ設計図に乗せる
第1段階を越えると、多くの会社で次の壁が来ます。人件費です。
利益計画は作れた。でも「じゃあ賃上げはいくらまでできるのか」「賞与の原資をどう決めるのか」「頑張った社員にどう配るのか」に答えられない。
ここは財務だけでは解けません。粗利のうち何%を人件費に充てるか(労働分配率)を決めて、そこから賞与原資の上限を出し、評価制度を通じて社員一人ひとりの金額に落とす。財務と人事評価が一本の線でつながっていないと成立しない領域です。
財務と人事を別々に頼むと、この線をつなぐ役が社長に残ります。それぞれが自分の持ち場で正しいことを言うほど、両方を突き合わせて決めるのは社長ひとりの仕事になります。
第3段階:大きな金を動かす局面に、隣で立つ
数億円規模の設備投資。補助金と融資を組み合わせた資金調達。自社株や役員報酬の方針を含む事業承継。
こうした局面は、判断を間違えたときの金額が桁違いです。そして多くの中小企業には、社長と対等に議論できる相手が社内にいません。
この段階は、資金繰りに困っている会社向けではありません。利益も預金もある。ただ、次の一手の規模が社長ひとりで決めるには大きすぎる——そういう会社に向いています。
業務範囲で比べるための早見表
| 含まれる業務 | 第1段階 | 第2段階 | 第3段階 |
|---|---|---|---|
| 月次試算表の組み替え | ○ | ○ | ○ |
| 資金繰り予測 | ○ | ○ | ○ |
| 経営会議への出席 | ○ | ○ | ○ |
| 利益計画の作成 | ○ | ○ | ○ |
| 労働分配率・賞与原資の設計 | — | ○ | ○ |
| 人事評価制度の設計・運用 | — | ○ | ○ |
| AIによる会議録・タスク管理の効率化 | — | ○ | ○ |
| 資本政策・資金調達の設計 | — | — | ○ |
| 事業承継の設計(自社株・役員報酬の方針づくり/税務判断は顧問税理士と連携) | — | — | ○ |
見積書を比べるときは、この表の左の列を相手の提案書に当てて、どこまでが含まれているかを確認してください。同じ「月30万円」でも、含まれる範囲は会社によって大きく違います。
安く頼んで失敗する場合と、高く頼んで無駄になる場合
安く頼んで失敗するのは、必要な段階より下を買ったときです。人件費の設計が必要な会社が、月次の数字の確認だけを頼む。数字はきれいになりますが、いちばん大きな費用である人件費に手がつかないので、利益が変わりません。
高く頼んで無駄になるのは、必要な段階より上を買ったときです。まず月次の数字を整えるところからの会社が、資本政策まで含むプランを契約する。使わない機能に払い続けることになります。
どちらも「金額が適正だったか」ではなく、段階が合っていたかの問題です。
見積書をもらったら確認したい3つのこと
1. 誰が担当するのか、名前で書いてあるか
提案してくれた人と、実際に毎月来る人が同じとは限りません。組織で受ける会社なら、契約後に担当者が決まる進め方もあります。どちらが良いという話ではなく、毎月誰が来るのかを、契約前に名前で確認しておくことです。
2. 人件費まで踏み込むのか、財務だけなのか
製造業や建設業では材料費・外注費が上回ることもありますが、社長の判断で動かせる幅がいちばん大きいのは人件費です。ここに触れない支援は、扱える範囲がその手前で止まります。
3. 着手金の有無と、その中身
月額だけで始める会社もあれば、初回に現状把握と設計の費用を取る会社もあります。どちらが良いというより、現状把握の工程がどこに置かれているかを見てください。先に着手金として置く形と、月額の最初の数ヶ月に含める形があります。どちらの扱いになっているかを確認しておくと、初期の数ヶ月で何が進むかが読めます。
株式会社フエルの料金
参考までに、当社の料金を書いておきます(すべて税別/全プラン共通で初回に着手金30万円)。先ほどの3つの段階が、そのまま3つのプランに対応します。
| プラン | 対応する段階 | 月額 | 範囲 |
|---|---|---|---|
| ライト | 第1段階 | 30万円 | 財務。経営会議への出席と月次の数字づくり |
| スタンダード | 第2段階 | 60万円 | 財務に加えて、人事評価制度の策定・運用、賞与原資の設計、AIによる業務効率化 |
| プレミアム | 第3段階 | 90万円 | さらに資本政策・資金調達・事業承継(資金調達の実行支援は別途、調達額の1〜3%) |
担当は、代表の矢野(中小企業診断士・登録番号 422721)が務めます。
各プランの詳しい内容は大阪の社外CFO支援のページに掲載しています。
よくある質問
社外CFOの費用相場は月いくらですか。
稼働の形によって月5万円から100万円超まで幅があります。月1〜2回のスポット型で5万〜15万円、月数回の伴走型で15万〜40万円、週1日以上の本格関与型で40万〜100万円超が、公開情報から見た目安です。金額差は訪問回数だけでなく、人件費の設計や資金調達といった業務範囲の違いから生まれます。株式会社フエル(大阪府吹田市)の場合は、月額30万円・60万円・90万円の3段階に、初回の着手金30万円(いずれも税別)という構成です。
税理士と社外CFOは何が違いますか。
税理士は税務申告・税務代理という独占業務を担う専門家で、社外CFOにその業務はありません。社外CFOが担うのは、事業計画、資金調達、投資判断、人件費設計といった未来の数字づくりです。顧問税理士との併走が前提になります。
従業員が少ない会社でも依頼できますか。
依頼はできますが、費用に見合うかは別の問題です。人件費の設計まで含む支援は、私の経験では従業員20名以上の会社で手応えが出やすいと感じています。人数が少ない段階では、まず月次の数字を整えるところから始めるほうが合理的です。
契約期間の縛りはありますか。
会社によって異なります。確認すべきは期間そのものより、途中で段階を上げ下げできるかどうかです。第1段階から始めて、人件費の設計が必要になった時点で第2段階へ移れる設計になっていれば、最初から大きく買う必要がなくなります。
まとめ
- 社外CFOの費用相場は月5万〜100万円超。幅が大きいのは業務範囲が違うため
- 金額差は訪問回数ではなく、一緒に背負う判断の重さで決まる
- 選ぶときは「月何回来るか」ではなく、人件費まで踏み込むかどうかで比べる
- 段階が合っていれば安くても効く。合っていなければ高くても効かない
まず60分、御社の数字の話を聞かせてください
御社がいまどの段階にいるかを、初回60分でご一緒に整理します。試算表を1枚お持ちいただければ、その場で「いまどこが詰まっているか」をお伝えします。
