人事評価制度をつくろうと思ったとき、相談先は大きく4つです。

そしてどれが正解ということはありません。会社の状態と、何を解きたいかで変わります。ただ、それぞれ必ず抜ける部分があるので、そこを先に知っておいてください。
① 社会保険労務士
強い:労務リスク、就業規則との整合、賃金規程、法改正への対応。制度を「揉めない形」に落とすことにかけては最も確実です。
抜けやすい:原資の話。「この制度で人件費がいくらになるか」「その額を会社が払えるのか」は、労務の外側です。
向いている会社:就業規則が古い。労務トラブルを抱えている。まず土台を整えたい。
② 人事コンサルティング会社
強い:等級制度、評価項目、目標設定、フィードバックの設計。方法論が体系化されています。
抜けやすい:運用と自社の数字。設計は精緻でも、会社の粗利や人件費とつながっていないことがあります。プロジェクトが終わると伴走も終わるため、運用の1年目でつまずいたときに相談先がなくなります。
向いている会社:従業員数が多い。制度そのものが存在しない。予算がある。
③ 評価システム(SaaS)
強い:評価の集計、履歴、面談記録の管理。運用の手間が確実に減ります。
抜けやすい:何を評価するかの中身。ツールは器です。評価項目が現場に合っていなければ、合っていないものを効率よく回すだけになります。
向いている会社:制度は既にある。Excel運用が限界に来ている。
④ 社外CFO
強い:会社の数字と制度をつなぐこと。粗利のうち何%を人件費に充てるか(分配率)を決め、それを賞与原資に接続する。評価の結果が金額に落ちるところまで設計します。
抜けやすい:労務の細部。就業規則の条文づくりや労働トラブルの対応は、社労士の領域です。
向いている会社:制度を入れたが動いていない。評価はあるのに賞与の根拠が社長の頭の中にある。人件費が増えているのに利益が残らない。
一番よくある失敗
制度は完成したのに、誰も使っていない。
原因はほぼ同じです。制度が会社の数字とつながっていないから、運用する理由が現場にない。
評価をつけても、それが賞与や昇給にどう反映されるか誰も説明できない。上司は「面倒な作業が増えた」と感じ、部下は「つけられても何も変わらない」と感じる。1年で形骸化します。
制度の出来が悪かったのではありません。制度と原資が別々に決まっていたことが原因です。
選び方の判断軸
迷ったら、この順で考えてください。
| いま困っていること | 相談先 |
|---|---|
| 就業規則が古い/労務トラブルがある | 社労士 |
| 制度がそもそも無い/従業員が多い | 人事コンサル |
| 制度はある/集計と管理が限界 | SaaS |
| 制度はあるのに動かない/評価と賞与がつながらない/人件費が重い | 社外CFO |
組み合わせても構いません。実際、私が入る会社にはたいてい顧問社労士がいます。規程の整備はそちらにお願いし、私は数字と制度の接続を担当します。役割が違うので、取り合いにはなりません。
費用の目安
相場は幅がありますが、目安としてはこうです。
- 社労士:制度構築で数十万円〜。顧問契約に月数万円で上乗せする形も多い
- 人事コンサル:プロジェクトで数百万円規模。大手ほど高い
- SaaS:月額で1人あたり数百円〜
- 社外CFO:弊社の場合、財務と人事評価制度を一体で担う契約が月60万円(税別)
安いか高いかは、範囲で変わります。制度を作るだけなのか、運用が回るところまで見るのか。ここを確認せずに金額だけ比べると、あとで必ずズレます。
大阪・関西の中小企業へ
株式会社フエルは大阪府吹田市を拠点に、財務と人事評価制度を一体で設計しています。
制度をつくって納品して終わり、にはしません。評価が賞与の金額に落ちて、社長が社員に説明できるようになるまでが範囲です。
まずは、いまの制度がなぜ動いていないのかを一緒に見るところから始めます。

