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COLUMN

社外CFO 矢野誠の経営コラム

評価は決めた。では賞与の額は、どうやって決まっているか

執筆者 | 7月 27, 2026 | 人事評価, 人事評価・組織, 人事評価制度, 未分類

評価制度を入れた会社で、必ず起きること

人事評価制度を入れて、1年目の賞与の時期になると、だいたいこうなります。

評価は出ています。A評価が3人、B評価が12人、C評価が2人。制度どおりに点数もついている。

そこで社長が電卓を持ち、こうつぶやきます。

「で、今年はいくら出せるんやったかな」

ここです。ここで止まる会社が、本当に多い。

評価は決まっているのに、配る総額が決まっていない。だから最後は社長の感覚で「今年はこれくらい」と決まる。決まった総額を、あとから評価点で割り振る。

順番が逆になっています。そして社員は、この逆転に気づきます。

社員が気づいているのは「額」ではなく「決まり方」

よく誤解されるのですが、社員が不満を持つのは金額そのものではありません。

「なぜその額なのかを、誰も説明できない」ことです。

A評価をもらった社員が、去年のB評価のときと大差ない賞与を受け取る。理由を聞いても、上司が答えられない。上司も知らないからです。総額の決まり方を知っているのは社長だけです。

こうなると、評価制度は「頑張っても関係ない」ことを証明する装置に変わります。入れないほうがマシだった、という状態です。

制度が悪いのではありません。制度と会社の数字が、つながっていないだけです。

つなぐものが「分配率」

必要なのは、たった1つの決めごとです。

粗利のうち、何%を人件費に充てるか。

これを先に決める。決めてから配る。順番はそれだけです。式そのものは、調べればどこにでも書いてあります。問題は式ではありません。実際にやろうとすると、こう詰まります。

  • うちの付加価値って、いくらなんだ(試算表のどこを見ればいいのか分からない)
  • 何%が適正なんだ(業種で全然違う。同業他社の数字は手に入らない)
  • 決めた率を、来年も守れるのか(業績が落ちたら下げるのか。下げると言えるのか)

この3つに答えられる人が、社内にいません。だから決まらない。決まらないから、毎年、社長の鉛筆が出てくる。

数字を作る人と、決める人は違う

顧問税理士は、付加価値を計算できます。試算表も作ってくれます。

ただ、「では御社は何%にしますか」は税理士の仕事の外側です。それは経営判断だからです。

人事コンサルタントや社労士は、評価制度を設計できます。等級も、評価項目も、フィードバックの手順も作れます。

ただ、「その原資は今年いくらか」には答えられません。会社の数字を毎月見ていないからです。

分配率は、その2つの真ん中に落ちています。だから、どちらの専門家に頼んでも決まらない。

決めると、何が変わるか

分配率が決まると、社長が話せるようになります。

「今期、会社は◯◯円の粗利を出した。うちは、そのうち◯%を人件費に充てると決めている。だから賞与の原資は◯◯円。その中で、あなたの評価はAだから、この額になる」

長くありません。3行です。

でもこの3行が言えるかどうかで、同じ金額を渡しても、社員の受け取り方がまるで変わります。

そしてもう一つ。社長が楽になります。毎年の賞与の時期に、一人で抱えて悩む作業がなくなる。ルールが決めてくれるからです。

業績が落ちた年のほうが、効きます

「業績が悪い年に下げると言えるのか」——よく聞かれます。

逆です。ルールがある会社のほうが、下げられます。

ルールがなければ、賞与を減らすのは社長個人の決断になります。恨まれるのは社長です。

ルールがあれば、「粗利が去年より◯%減ったので、原資も同じだけ減る」と説明できます。数字が決めたことになる。そして社員は「じゃあ粗利を戻せば戻るんだな」と理解します。

これは、下げるための仕組みではありません。下がった年に、会社と社員の関係を壊さないための仕組みです。

進め方

順番があります。飛ばすと必ず戻ります。

  1. 粗利と人件費の実額を出す——まず現状の分配率を知る。ここで多くの社長が驚きます
  2. 業種の水準と比べる——高いのか低いのか。業種差が大きいので、自社の推移で見るほうが確かです
  3. 来期の率を決める——ここは経営判断。決めるのは社長です
  4. 評価点への割り振り方を決める——ここで初めて評価制度とつながる
  5. 社長が説明する場をつくる——制度は説明された瞬間に動き出します

4だけをやると失敗します。ほとんどの人事評価制度の導入が、4から始まっているように見えます。

大阪・関西の中小企業へ

株式会社フエルは大阪府吹田市を拠点に、中小企業の財務と人事評価制度を一体で設計しています。

財務コンサルタントが評価制度をつくるのは珍しがられます。でも逆に聞きたいのです。人件費を設計せずに、どうやって利益を設計するのか。

数字と人は、切り離せません。切り離した瞬間に、どちらも動かなくなります。

まずは自社の分配率を出してみてください。その数字を見て手が止まったら、そのときにご相談ください。

▶ 大阪の人事評価制度コンサルティング / 人事評価制度は誰に頼むべきか / 大阪の社外CFO

数字と人を、一本の線でつなぐ

利益計画も、賞与原資も、人事評価も、同じ一人が書きます。財務と人事評価を一体で設計する社外CFOです。大阪・関西の中小企業へ。

【保有資格】

医療経営士
医業経営コンサルタント
事業承継士
事業再生マネージャー(TAM)
中小企業診断士
(登録番号:422721) WEB
認定経営革新等支援機関
(認定番号:107927002010)WEB
キャッシュフローコーチ
(日本キャッシュフローコーチ協会)
甲種危険物取扱者
M&A支援機関(登録名義:矢野誠)
クリニック経営士
人事制度構築士
ウェルスダイナミクスコンサルタント
DiSC理論認定トレーナー
バトンズ認定M&A専門家 WEB

【主な支援実績】

経営理念策定・浸透支援
人事評価精度策定・運用支援
キャッシュフロープラン策定・財務支援
医療法人・中小企業への補助金申請支援
経営改善計画・事業承継支援
コーチング(経営者・管理職向け)

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