「 売 上 を伸ばしまし ょう」と言えなくなる瞬間
先日も、まさにそうでした。
社長に来期の相談をされて、

僕はいつものように、
成長の絵を描こうとしていました。
でも、社長の表情を見て、
言葉が止まったんです。

「無理に伸ばしたら、現場に負担がかかる。
無理させて、辞められたら元も子もない」
この社長が守ろうとしていたのは、
売上ではありませんでした。
長年、会社を支えてくれた社員さんと、
その人たちが帰る、家族の食卓。
僕は中小企業の社長さんの、
「外部CFO/CHRO」のような立場で
仕事をしています。
「もっと稼ぎましょう」と
発破をかける人だと思われがちですが、
やっていることは、たぶん逆です。
僕の仕事は、
社長が安心して”守り”に入れる
土台をつくることです。
「攻めない」と「守る」は、
まったく別モノなんですよね。
無策で立ち止まるのは、ただの停滞です。
でも、
次の一手をいつでも打てるように
弾を込めながら、あえて今は動かない。
これは、勇気のいる「戦略的な守り」です。
社長がその選択をできるように、
僕は裏側で土台を固めます。

多くの会社で、
「儲かっているのか、いないのか」
が社長自身にもハッキリ見えていない、
ということが起きています。
数字が月ごとに大きく上下して、
「うちは水物やから」と、
なんとなくで済まされてしまう。
でも、僕には放っておけない。
一つずつ数字をほどいていくと、
たいていの場合、
「ブレている原因」がちゃんと見つかります。
会社が儲かっていないわけじゃない。
「見え方」がブレているだけ、
ということが本当に多いんです。
シンプルなルールを一つ決める。
それだけで、
経営の景色は驚くほどクリアになります。
足元がブレていると、
社長は「攻めるべきか、守るべきか」の
判断すらできません。
霧の中を、
勘だけで運転しているようなものです。
でも、数字の霧が晴れれば。
「今は無理に攻めず、力を蓄える時だ」
そう腹を括って”守り”を選ぶことができる。
守りとは、逃げることじゃない。
次に勝つための、いちばん賢い準備です。
僕がお手伝いしている会社さんには、
何十年と続いてきた会社が少なくありません。
創業者から、今の社長へ。
そして、次の後継者へ。
僕の仕事は、
このバトンを次の世代へ、
そのまた次の世代へ、
落とさずに渡しきることです。
派手に売上を伸ばすことより、
稼いだお金がちゃんと会社に残ること。
社長が引退した後も、
その会社が地域で生き続けること。
僕は「決算書の外側」を見るコンサルでありたい。
数字の裏には、
必ず「人の人生」があります。
あの日、
言葉に詰まった自分のことを、
僕はきっと忘れません。

あなたの会社は今、
「攻める」と「戦略的に守る」、
どちらのタイミングだと感じていますか?
