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COLUMN

社外CFO 矢野誠の経営コラム

評価面談で「承認」をどこに置くか|存在・行動・結果の使い分け

執筆者 | 7月 25, 2024 | 人事評価・組織

承認は、褒め方の技術ではありません

評価制度を作ったのに、動いていない。

面談の予定は入っている。シートも配ってある。それでも、半年後に見に行くと止まっている——という相談をよく受けます。

このとき、原因を「上司の褒め方が下手だから」に置くと、たいてい解決しません。研修で褒め方を教えても、翌月には戻ります。

問題は技術ではなく、配置だからです。

「承認」には種類があり、それぞれ置くべき場所が違います。置き場所を間違えたまま研修だけを足しても、制度は動きません。

3つの承認とは何か

一般には、次の3つで整理されます。

種類何を認めるか
結果承認出した成果「目標を達成できましたね」
行動承認やっている行動「毎朝いちばんに来ていますね」
存在承認そこにいること挨拶をする。変化に気づいて声をかける

順序としては、存在承認が土台にあり、その上に行動承認、さらに結果承認が乗ります。結果承認と行動承認は短期の動機づけに効き、存在承認は長期の意欲を支える——ここまでは、この分野の一般的な整理です。

問題は、その先です。

どこに置くか — 評価表と面談で役割を分ける

社長が決めるべきなのは「どう褒めるか」ではなく、3つの承認を、制度のどこに置くかです。

結果承認は、評価表がすでにやっている

結果を認める仕組みは、評価表そのものです。点数がつき、等級が動き、賞与に反映される。

だから面談で結果承認を繰り返す必要はありません。

にもかかわらず、多くの面談は結果の確認で終わります。シートを読み上げ、点数を伝え、来期の目標を確認して15分。これは評価表がすでにやったことの復唱です。

行動承認は、評価項目の粒度で決まる

行動を認めるには、何が「その行動」なのかが決まっていなければなりません。

ここでよく起きるのが、評価項目にこう書いてあるケースです。

「積極的に業務に取り組んでいる」
「責任感を持って行動している」

悪い言葉ではありません。ただ、これを項目に置くと、評価者によって点が変わります。Aさんは4点、Bさんは2点。どちらも間違っていません。「積極的」の中身が、二人の頭の中で違うからです。

見分け方はひとつです。その項目を、3人の評価者が別々に見て、同じ判定になるか。

×「積極的に報告している」→ 何回すれば積極的なのか、決まっていない
○「日報を、毎営業日18時までに出している」→ 出ているか、出ていないか。誰が見ても同じ

言葉としては味気ないほうが、制度としては強くなります。そしてこの粒度まで落として初めて、行動承認は具体的な一言になります。

存在承認は、頻度でしか作れません

存在承認は、言葉の選び方ではなく回数の問題です。

年1回の評価面談しかない会社で、存在承認は成立しません。半年ぶりに座って「いつも見ているよ」と言っても、届かないからです。

ここは制度の設計で決まります。面談の頻度を、社長が決めるしかない。

現場で起きること

2週間に1回・15分から始めた例

ある製造業(従業員20名以上)では、評価制度の導入後に2週間に1回・15分の面談を置きました。

長い面談を月1回にするより、短い面談を2週間に1回のほうが定着しています。15分なら予定に入れやすく、間が空きすぎないためです。

ここで扱うのは結果ではなく、行動と、変化への気づきです。結果は評価表が持っているので、面談は別の役割を持たせています。

「書くのは嫌だが、話すのは問題ない」

別の会社(卸売業)で聞いた言葉です。

面談シートの記入率が上がらない。理由を聞くと、書くことへの抵抗であって、面談そのものへの抵抗ではありませんでした。

このとき、記入率を上げようとして督促を増やすと、制度への反発が強くなります。書式のほうを軽くする、あるいは話した内容を上長が記録に落とす——制度側を現場に合わせるほうが、たいてい早く動きます。

制度が動かない、いちばん多い理由

最後に、身も蓋もない話をひとつ。

評価制度を作って、配って、説明会もやった。それでも動かない。このとき原因が制度の出来だったことは、あまりありません。

決めた型を、一度も使っていないのです。

面談シートは配られている。でも、最初の1回を誰もやっていない。やらないまま3か月経つと、もう誰も言い出せなくなります。

ですから制度を作ったあとは、「最初の1回をいつやるか」だけを決めるようにしています。

日付を1つ入れる。それだけで動き出すことがあります。制度が悪いのではなく、始まっていないだけ、ということが本当に多いのです。

よくある質問

承認と評価は、同じものですか。

違います。評価は序列をつけて処遇に反映するもの、承認は事実を認めて伝えるものです。評価表が結果を扱い、面談が行動と存在を扱う——この分担にすると混ざりません。

面談の頻度はどのくらいが適切ですか。

決まった正解はありません。ただ、年1回では存在承認は成立しません。2週間に1回・15分から始めて、続かなければ月1回へ落とすほうが、最初から月1回で始めて形骸化するより定着しています。

評価項目に「積極性」「責任感」を入れてはいけないのですか。

入れると、評価者によって点が割れます。3人の評価者が別々に見て同じ判定になるところまで、行動で書き直すことをお勧めします。

まとめ

  • 承認は褒め方の技術ではなく、制度のどこに置くかの問題
  • 結果承認は評価表がやっている。面談で繰り返す必要はない
  • 行動承認は、評価項目の粒度で決まる。3人が見て同じ判定になるまで具体化する
  • 存在承認は、頻度でしか作れない。年1回の面談では成立しない
  • 制度が動かない最大の理由は出来ではなく、最初の1回をやっていないこと

評価制度を作ったものの動いていない、面談が結果の確認で終わっている——そうした状態を、初回60分・無料でご相談いただけます。

現状の評価表と面談の頻度を伺って、どこから直すかを一緒に整理します。

数字と人を、一本の線でつなぐ

利益計画も、賞与原資も、人事評価も、同じ一人が書きます。財務と人事評価を一体で設計する社外CFOです。大阪・関西の中小企業へ。

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医療経営士
医業経営コンサルタント
事業承継士
事業再生マネージャー(TAM)
中小企業診断士
(登録番号:422721) WEB
認定経営革新等支援機関
(認定番号:107927002010)WEB
キャッシュフローコーチ
(日本キャッシュフローコーチ協会)
甲種危険物取扱者
M&A支援機関(登録名義:矢野誠)
クリニック経営士
人事制度構築士
ウェルスダイナミクスコンサルタント
DiSC理論認定トレーナー
バトンズ認定M&A専門家 WEB

【主な支援実績】

経営理念策定・浸透支援
人事評価精度策定・運用支援
キャッシュフロープラン策定・財務支援
医療法人・中小企業への補助金申請支援
経営改善計画・事業承継支援
コーチング(経営者・管理職向け)

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